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イチジュウエンとか、イッピャクエンとか言わないのに、なぜ「万」の時だけ「イチマンエン」と、イチを頭につけるのか?
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[KID'S SIGNAL] キッズシグナル●第1208号●2024年12月7日(土)
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読者さん、こんにちは。
今日は「ハビットトラッカー」の話を書こうと思ってたのですが、たまたまネットで面白い記事を読んだので、そっちの話の方が面白そうだ、ということで話題変更。
以下の記事を見てください。
●5歳の娘がそこまでの単位はイチがつかないのに「10000円はなんでマンエンじゃなくてイチマンエンなの」
と不思議がって親ピンチ、そこにいろんな説明の切り口が集結
https://togetter.com/li/2475363
という話題です。
これ、つまり
一:イチ
十:ジュウ
百:ヒャク
千:セン
までは、頭にイチという個数を付けないのに、
(イチジュウエンとか、イチヒャクエン・イッピャクエンとは言わない)
なぜ「万」の時だけ、
万:イチマン
と言うのか? と5歳の娘さんに聞かれて答えられず、アタフタした、という話なわけです。
みなさん、すぐに答えられますか? なんでだろう? と頭を悩ませるのが、まぁ普通だと思います。
でも僕はすぐにわかっちゃいました。答えはものすごく簡単で、
●日本の数字は4桁区切りだから
です。(「万進法」という呼び名もあるみたいですね。これは今回知りました。)
日本では数字は、1から9999までがひとかたまりと考えられていて、
一:イチ
十:ジュウ
百:ヒャク
千:セン
までは桁の呼び名はなく、次の万の位からは、新たに
一万:イチマン
十万:ジュウマン
百万:ヒャクマン
千万:センマン
と、「万」の呼び名で数えるわけです。
(まあ「千万」は習慣で「イッセンマン」と読むのが普通ではありますが)
この後も、
一億:イチオク
十億:ジュウオク
百億:ヒャクオク
千億:センオク
ですし、そのうえの「兆」や「京」でもおなじように、
イチ
ジュウ
ヒャク
セン
と、四桁ごとに同じ桁名が繰り返されるわけです。
これは数字の基本ルールですから、ものすごく分かりやすい話だと思います。
この「桁区切り」の話を「日本の場合は」と限定的に話したのは、実は欧米社会では、桁区切りが「3桁」だからなんですね。
欧米では、
1:ワン
10:テン
100:ハンドレッド
1,000:ワンサウザンド
10,000:テンサウザンド
100,000:ワンハンドレッドサウザンド
となりまして、六桁からは「ミリオン」の単位になります。
1,000,000 :ワンミリオン
10,000,000 :テンミリオン
100,000,000 :ワンハンドレッドミリオン
このあたりのことは、英語のニュースなどを聞いていると、国家予算とかビリオンとかミリオンとか出てきて、なおかつ1ドルがいま何円なのか? ということとかあって、もう全然聞いていても「感覚」すらつかめなくなるのでとても困る事柄なんですよね。
●日本は四桁区切り、欧米は三桁区切り
というのは、ほんとうにお金の話を日本と欧米とを比較して考える時に、ものすごく大きな障害です。
そういうこともあって、この「なぜイチマンエンだけイチがつくの?」という疑問は、もうすぐにわかったわけです。
この桁区切りの話は、数字の理解の話の中では初歩の初歩でして、ほんとうに一番難しいのは、
●日本独自の数の数え方と単位の多様性
の方なんですよね。
それは何かと言うと、犬猫なら、「一頭、二頭」と数え、お皿なら「一枚、二枚」と数え、タンスなら「一棹、二棹」と数えるという数え方です。
こんなもん、海外の人からしたら全然理解不能でしょう。
ウサギに至っては「羽」と数えたり、「匹」で数えたり「頭」で数えたり、完全にカオス状態ですからね。
で、この「数える単位がいろいろある」問題は、日本の「数」の問題の中でもまだまだ序の口で、一番やっかいな問題が、実際に動物を数える時の「発音の不規則さ」にあるわけです。
犬でもネコでも「匹」で数えることはあると思いますが、この時の「匹」は、
イッピキ
ニヒキ
サンビキ
ヨンヒキ
ゴヒキ
と数えまして、「ヒキ」と「ピキ」と「ビキ」が混在しているわけです。
これはねぇ、外国の方からすると理不尽の極みなんですよねぇ。指摘されて「確かに。無茶苦茶やん!」と思いました。
こういう数え方を普通に日常からやっている日本人ってかなり異常ですわねぇ。
いやほんま。
これはもう完全に「発音のしやすさによる音の変化」でしかないでしょうから、ルールなんかないと思います。
(実際、イチヒキ、サンヒキ、ヨンビキと発音される方はおられますし)
数字の扱いって本当に難しいんですよね。
ということで、今日のメルマガはここまで。
ではでは、また明日。
--------------[KID'S SIGNAL No.1208 -了- ]---------------