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「パワポで作ったみたいなダサい企画書」みたいなことを言ってる奴は、そもそも何も分かってないバカばかりである。

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[KID'S SIGNAL] キッズシグナル●第1212号●2024年12月11日(水)
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読者さん、こんにちは。
今日はふと本棚を眺めていて、パワポの使い方に関して裏技的に機能を使いこなして「え? これパワポで作ったの?」と思わせるような図版やイラストなどを制作して紹介している書籍が目に入り、

「あ、そうだ、パワポのこういう側面の話をしよう」

と思って記事にすることにしました。

そもそもパワーポイントと言うと、なにか「よくあるプレゼン資料作成ソフト」というイメージで、ほんとうに小バカにされることがやたらと多いんですね。

いわく、

●パワポで作ったみたいなダサい資料
●パワポのプレゼンスライドとか超古い
●いまさらパワポじゃないだろ、キーノートだろ
●パワポを使ってる段階で終わってるでしょ
●アマゾンじゃパワポ禁止なんですよ。全部テキストです。
●なんでもパワポにすりゃあいいてものじゃないんだよ。
●もう見飽きたよ、パワポなんて。

というような意見ですね。
こういう意見、ほんとうに多い。

言っておきます、こういう意見、全部、すべて、「バカ」です。

そもそも、おまーらキチンとパワポを使った事ないやろ!
ちゅうか、そもそもパワポが多くの企業でどういう使われ方していて、どういう役割を担っているか理解しとらんやろ?

ということなんですよ。

パワーポイントというソフトは、基本は「プレゼン資料作成ソフト」であって、そういう評価しか受けてないというのは理解できます。

でもね、実際、日本全国の中小企業のさまざまな広告などを作ってきた私としては、実感としてパワポというソフトの、中小企業での一番重要な役割は、

●デジタル資料の気軽なバインダーソフト

なんですよ。

たとえば、新商品開発で何か実験をしたとして、その実験資料なんかは、それぞれ専用ソフトとかいろんなもので作るんでしょうが、最終的に外注スタッフである僕のような人間に分かりやすく示す場合には、余分なところは取り去り、大事なところは強調した「資料」としてまとめるためにパワポにまとめるわけです。

・グラフデータ
・表組(エクセル)
・ネットのHPからの切り抜き
・ネット記事のスクラップ
・現場写真のまとめ
・新製品の試作品の完成図

などなど、などなど。

そりゃもう、ありとあらゆる業種の方からパワポでまとめた資料をいただきました。(エクセルでまとめてることも多かったですけども。まぁ6:4くらいでパワポ。4割がエクセル。ワードはほとんどありません。)

もうね、ほんとうに、「外部の方に読んでもらう資料を、とりあえずパワポのファイル作って貼り付けておこう」というレベルの、すごく軽い使い方をされてるんですよ。

で、おそらくパワポの一番の役割はこれだと思う。キーノートでおしゃれなデザインでとか、どーでもええって。もうええでしょう、そういう話は。

僕が一番感心したのは、子育て中のお母さん社員さんが、仕事の企画書をまとめるのに、毎日保育所に間に合うようにパパパっと資料を作らないといけないからと、手持ちのノートにボールペンで手書きしたアイディアをスマホで撮影して、その写真をパワポの資料の途中に入れ込んでた資料です。

「すごい! こういうパワポの使い方があったんや! これや! これやで!」

って思いました。
それでええんですよ、「伝える」ためには。それで充分伝わるんやから。

このお母さん社員のように、「とにかく伝わればいい」と割り切って使う時に、パワポほど便利なものはないわけです。
そもそもMicrosoftのオフィスシリーズと連携してますから、パワポで資料をまとめておけば、エクセルだろうがワードだろうが、後でキレイにまとめるというのはラクラクだし、標準ツールであるオフィスシリーズのデータなら、誰にだって渡せるわけです。
ここが一番大事な事なんですよ。

で、パワポなら、画像のデータ形式もかなり豊富だし、表データも扱えるし、当然エクセルやワードのデータや部品もラクラク共有できるわけです。
動画もそのまま扱えますし、画像データもラスター画像もベクター画像も扱える。
最近では3D画像も扱えるし、そもそもラスター、ベクター、動画、3Dデータすべての「サンプル」「テンプレート」がたくさん入手できる形になってます。

超便利だし、ビジネスや業務におけるデジタルデータ共有の、もっとも強力なデータ共有プラットフォーム、という側面が大きいわけです。

Googleのオンラインオフィスとか、キングソフトの低価格(無料)のオフィスシリーズも、それなりに意義があるのは認めますが、それはあくまで部分的な用途であって、標準的なビジネス環境でのデジタルデータ共有のプラットフォームは、なんといってもパワポなんだと、僕は思います。(いや、逆に、パワポは一切使ってない、という企業も一定数はあると思いますが、まぁそれはそれ。)

で、この共有プラットフォームとしての強力さと同時に忘れてはいけないのが、パワポが持っているそれぞれのデータ形式に沿った

●かなり有能な編集機能

なわけです。

まぁラスターデータの編集機能はそれほど高くないんですけど(と言いつつコントラスト調整とか色味のバランス調整とかは、ものすごくわかりやすく簡単に実行できるようにできてるわけですが)ベクターデータに関しては専用ソフトの「イラストレーター」に近いような機能が備わっています。

で、そういう機能が標準装備されつつ、年を追うごとに機能追加もされ続けてきたので、いまやかなり高度な機能も盛り込まれていて、ほんとうに多様なデータで手軽に凝った処理ができるように進化してるわけです。

で、そういう、ちょっと凝った使い方、みたいなことをまとめた書籍というものが書店で見かけることがあるので、ついつい購入してしまうんですね。

そういう中で手に入れて、「おお、これは面白い」と感心したのが、以下の2冊です。


●パワポで描く! 図とイラスト ~PowerPointによる教材・レポート・資料で使える素材の作成から動きのある表現まで 単行本(ソフトカバー) - 2022/4/30
https://amzn.to/3D6Onn3


●PowerPointで何でも作る! 神業パワポ 単行本(ソフトカバー) - 2021/10/20
https://amzn.to/3Dbp97h


どちらもパワポならではの機能を上手に使って、パワポで作ったとは信じられないような図版やテンプレートを作りあげているのです。

図形の合成・切り抜き機能で二つ以上の図形を重ね合わせて「切り抜き」、自由な「形」を作ってテンプレートにするとか、表組(グラフ作成)機能を使って線グラフを作った上で、その「線」を図版づくりに生かすとか、それはもう本当に自由自在に活用されているのです。

パワポを使わない人には、あまり意味のない本かもしれませんが、パワポを使ってる人には超便利、そうでない人も、書店で見かけたら中身をパラパラと見てください。

「え? パワポでここまでできるの?」

と、驚くこと間違いなしなので。

ほんとにね、パワポを小バカにしてるような発言を聞くと、ほんとうに腹が立つ。
なんていうか、いままで一緒に仕事してきた人の「やり方」を頭ごなしに否定しているようにしか聞こえないわけです。
その「とりあえずパワポ」で、仕事してる人の層の厚さを分かってなさすぎ。

パワポは本当に汎用性が高いです。

ということで、今日は「パワポの役割」についての解説でした。
ではでは、また明日、お会いしましょう。


--------------[KID'S SIGNAL No.1212 -了- ]---------------


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