[1293号] ●バックナンバー一覧に戻る←前号へ次号へ→

Evernoteというサービスをご存知ですか? あるいは使っておられますか? 僕は最初からあまり好きではなかったんですけど、最近不調らしいです。

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
[KID'S SIGNAL] キッズシグナル●第1292号●2025年3月2日(日)
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

----------------------------------------
このメルマガは、
■「メモ・ノート・手帳を使いこなすためのStationery Book 42」■
をダウンロードくださった方を中心に、毎日発行でお届けしています。

読み落としがある場合は、メルマガ本文のすぐ後に、
バックナンバーページへのリンクがありますので、そちらからご確認ください。
----------------------------------------

読者さん、こんにちは。
ということで、本日の2通目です。

実は先日、こんな記事を読みました。

●「Evernote」はどこに行ったのか? ~始まりから成長、日本との深い関係、そして凋落の足跡~
https://www.fashionsnap.com/article/2025-02-28/evernote-japan/

えーと、説明しないと分からないかもなので、説明しますと、Evernoteというのは情報をクラウドに上げて、管理するサービスの草分けなのですね。

たとえばちょっとしたメモとか書類とかを写真で撮影して、Evernoteのサーバーに上げておけば、いつでもネット経由でそのメモを呼び出せるというデータ保管庫ともいうべきサービスです。

優れているのは、写真の中にある活字やら手書き文字やらを自動的にテキストデータに変換してくれ、そのキーワードで検索すれば該当データを表示してくれる、という機能で、使い方によっては大変便利なサービスだと思うのです。

一時期、このサービスがかなり人気になりました。特に、当時iPhoneなども登場してきたばかりだったので、スマホと相性の良いサービスという意味で、Evernoteはかなりの人気があったように思います。その人気だったEvernoteの人気が凋落している、ということなので、ちょっと驚いている、ということでもあります。

まぁ「凋落」しているのかどうかは、キチンと数字を見ていないので、なんとも言いようがないのですが、実はEvernoteに関しては、もう登場した時からずっと、

●考え方と発想はすばらしいけど、タグ管理では使いようがない。

と思っていたんです。
なので、「凋落した」という話を聞いて、喜びまではしませんが、「やっぱりかー。しょうがないよな、タグ管理が主軸なんやから」というやっぱり感はあるんですね。

「タグ管理」と簡単に言いましたが、タグ管理というのは、最近でもよくある、単語の頭に#マークをつけて、キーワードを入れておく「ハッシュタグ」とも呼ばれる手法です。

この手法はね、後からキーワードを入力して検索するとキーワードを含むカードだけが表示される、という手法なわけです。

一般的にはこの「ハッシュタグ」という分類手法はかなり広がりを見せていて、特定のテーマを一般に広げる手法としてはとても面白いとおもうのです。

しかし、個人が自分のデータ管理をするために使うには、かなり問題の大きい手法だよなと思っているのです。
なぜ問題だと思うかと言うと

●タグ付けしたキーワードをタグ付けした当人が忘れてしまうから

なんです。
これはねぇ、情報整理の根幹に連携する話なので細目を詳しく書きたいんですけど、長くなるから簡単にまとめてしまいますが、分類整理をするなら、一般的なPCのデータ管理手法である

●階層フォルダによる整理

手法でしかデータ整理はできないと思うんですね。

これ、何が重要かというと、

●階層フォルダによる整理は、データを取り出すたびにキーワードを再確認することになる

という本質的な「構造特性」があるからなんです。
フォルダに入れた情報は、何度もフォルダを開けることで、その「名称」が自分の記憶にのこってくるんです。つまり「タグ管理」と違って検索のためのキーワードを「忘れない」んです。

なので、Evernote を面白いとは思ったものの、Microsoftが、まえまえから出していたメモアプリである「One note」がクラウドストレージ対応した時に Evernote は使わなくなって、すべてを One note に変えてしまったんですね。

なぜなら「One note」は、タグ管理ではなく階層フォルダ管理だったからです。

情報整理に関しては、もう本当に「項目名」こそが重要で、情報を賢く活用するためには「項目名」を階層の上り下りをするたびに目にして、頭に「項目名」を嫌でも刷りこんでしまう階層フォルダ構造の方が絶対に便利なんです。

なので、Evernoteが、「凋落してきた」と言われても、「そりゃそうだろ」としか思わないわけです。
紹介した記事では、いろいろな理由を書いてますけど、この一番重要なことは全然書いてない。
他のどんな要素より、Evernoteがダメになったのは、

●タグ管理なんか導入したからだ

としか思わないわけです。

ま、基本機能が弱かったら、生き残りは難しいですよね。

ということで、今日のメルマガはここまで。
ではではまた明日。

--------------[KID'S SIGNAL No.1293 -了- ]---------------


[1293号] ●バックナンバー一覧に戻る←前号へ次号へ→