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今日は、「タイピングの入力スピード」について、ちゃんと考えてみたいと思います。
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[KID'S SIGNAL] キッズシグナル●第1338号●2025年4月16日(水)
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読者さん、こんにちは。
今日もまた、タイピング練習ソフト「WEEK」にまつわるお話をしていきたいと思います。
前々から、ブラインドタッチ習得に関しては、数々の「勘違い」や「間違った常識」が跋扈していて、その非常識によって、「たった数時間の練習、一気練習で一日、毎日数十分続けていたら1~2週間で身に付くスキル」を、何年かけても身につかなくさせている、という話をし続けてきました。
そういう「勘違い」「間違った常識」の中でも、とんでもなくトンチンカンな考えなのに、一般的にはかなり強固に「常識」として世間にこびりついているのが、
●いまより早く入力すれば、もっと快適になる。
という考え方です。
なぜかね、タイピングの話をすると、「そうやねぇ、もっと早くなるかねぇ」というような「スピード」の話になりがちなんですよ。
これ、単なる間違った現実認識による、かなり歪んだモノの見方なんですけど、世間的にはものすごーく普通に、
「タイピングの上達=入力スピードのアップ」
というかなりおかしな「一般論」がまかり通っているんです。
このおかしな考え方が、成立してしまっている理由のひとつは、
●キーボードで文章を書くと、手順がいくつも複数に分かれて、すごく面倒くさい。
ということがあると思います。
書きたいと思った文章をキーボード入力をすると、
1.文章の途中まで考える
2.その文章をひらかなになおす
3.そのひらかなをキーボード上で探して打つ
4.画面を見て漢字変換が間違っていないかをチェックする
5.確定ボタンを押す
という5段階くらいはステップがあって、これだけのステップを踏んでも、思った文章の5分の1も完成してなかったりするわけです。
「私は昨日、展覧会に出かけてきました」
が一文だったとして、「私は」とか「私は昨日」と入力するまでに、上記の5ステップが必要だ、ということですね。
で、世の中には「エセブラインドタッチャー」を含め、キーボード入力自体が早い人は多々おられますから、そういう人と比べて、「すごく遅いよね」と思ってるわけです。
でも実は、この「入力が遅い」というところから認識間違いなんですよね。これはまず「手書きで文章を書くこと」と比較しないといけないんですね。
入力スピードで言うなら、手書きは超遅いからです。
上記の例文で言うなら「展覧会」なんて言葉は、手書きで書いたらどれくらい時間がかかることか。
それに比べれば「て」「ん」「ら」「ん」「か」「い」と一文字ずつ文字を探して変換キーを押す方が、圧倒的に速いんです。
「経済の講義を受講しました」
というような文章なんかだと、それはそれは圧倒的にタイピングの方が早いはずです。
でも、「音節の入力」→「漢字変換」→「漢字の選択」というキーボードと画面の視点の行き来がはさまることによって、思考の中断があるので、「ものすごく遅かった」という印象になってしまうんです。
キーボードと画面を何度も何度も行ったり来たりしていると、「文章を考える」「思考を中断して音節を入力する」「キーボードを見るのを中断して画面を見て漢字を選ぶ」という「中断」と「行き来」が頻発するので、ものすごく遅くなっている、という印象になるわけですね。
だから、本当の問題は、この「思考の中断」と「視点を行き来させる手間」の繰り返しにあるんですけど、その問題点には考えが至らなくて「スピードさえ速くなればもっと快適」というそれらしい、「間違った思考」に突き進んでしまうわけです。
この間違った思考が前提になってしまうと、「目標設定」自体がおかしくなりまして、実際ネットなどに流通している無償のタイピング練習ソフトなどでも
「入力スピード」
を目標に掲げているソフトが溢れています。でも、これは「まちがった目標設定」なんですね。
本当は、「入力スピード」なんぞに意味はまったくないのであって、考えるなら「文章を思いついてから文章が画面に定着されるまでの必要時間」と「完成した文章の質」の2項目でチェックすべき事柄のはずなんです。
この話、けっこう長くなりそうなので、続きはまた明日にします。
ではではまた。
--------------[KID'S SIGNAL No.1337 -了- ]---------------