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今日は「ライター」という仕事の、誰もが経験する共通項についてお話してみたいと思います。

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[KID'S SIGNAL] キッズシグナル●第1376号●2025年5月24日(土)
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読者さん、こんにちは。
今日は少し、昔得意先の方から聞いてすごく納得した「ライターの特性」について書いてみたいと思います。

僕は長年、コピーライターという仕事をしてきたわけですが、仕事をどこからいただくかというと、たとえば広告制作会社であったり、広告代理店であったり、企画部門を備えた印刷会社であったりしたわけです。

で、そういう発注元の多くの方々は、発注しているライターは一人ではなく、複数人抱えているのが当たり前であって、いろんなライターさんとお付き合いがあるわけです。

で、そういう発注元のプランナーさんとお話をしている時に、僕は自分の仕事をしている時の仕事の流れなどを話していたんです。

仕事の発注をいただいたら、まず打ち合わせで仕事の概要を説明していただき、必要な資料などを受け取ります。
そうしたら、次はその資料を読み込んで、課題の整理と目的の明確化をします。
それからたとえばキャッチフレーズを考えなければならない場合はキャッチフレーズを考えるし、広告のアイディアが必要なら広告案を練っていきます。

で、この時に一回資料を読んだだけで「これだな」と思えるようなアイディアが出ることもありますが、「うーんいまいち良いアイディアじゃないなぁ、なかなか難しいな」ということもあるわけです。

で、そういう時は通常、いったん考えるのはやめにして、他の仕事の資料を読んだり、他の仕事で進められるものを進めたりしていくわけですが、そういう場合の話をしていて、

「やっぱり最低、一日二日は寝て、無意識下に課題を投げ入れないと、いいアイディアが出ないですねぇ」

ということを言ったわけです。

で、そういうことを言うと、そのプランナーの方がこう言われたんですね。

「面白いですねぇ。いろんなライターさんにお仕事お願いしてますけど、みなさん寝ないとアイディアが出ないって言わはりますわ」

この話を聞いて、「あ、やっぱりそうなんや!」と、僕はものすごく新鮮だったわけです。
自分でいろいろ考えて、それでも良いアイディアが出なくて、仕方なしに寝て、それで「ふっ」とアイディアが出たりしてたわけですが、自分自身が「ニ三日寝ないと良いアイディアが出ない」というのは明確に意識していたわけではないわけです。

ただアイディアが出なくて苦しんで、で、出ないから仕方なしに寝て、その挙句に(アイディアが出るという目途も立たずに、ということですね。途方に暮れてという感じかも知れない)次の日とかになぜか唐突に良いアイディアが出てきたりするわけで、自分で明確に「しっかり寝た後にアイディアが出るのだ」という構造把握まではいたっていないのですね。

ただ、やはり課題が難しい時は一日二日はかかるよねぇという話なわけです。

でも、その個人的体験が「ライターさんはみなさんそうおっしゃいますね」というライターの共通項なんだと知るとそれはとても興味深いわけです。

それは多分「言葉の新しい組み合わせの可能性」を無意識的に寝ている間に、延々とやっているからなんじゃないのか? という気がしたわけです。

これがデザイナーさんやカメラマンさんまで含めた「クリエイターならみんな同じ」ということではなくて、「ライターさんはみなさん」というところが、ひとつの大きなカギだと思うわけです。

●言葉の無限の組み合わせを検証するためには一晩か二晩寝ないと無理。

ということなんだろうと、自分なりに仮説が立てられた、ということですね。

で、この間からWEEKの販売ページの制作をひーこら言ってやってるのも同じことでして、いったん「このブロックの原稿、なかなか難しいなぁ」という部分が出てくると、とたんに作業スピードが落ちて前に進まなくなっちゃうんですね。
で、それはものすごいムラがあるんです。

「ここの部分、難しいな」

と思うと、そればかりが気になって原稿が全然前に進まないわけです。
でもその気になっていた部分がうまく原稿化できたりすると今度はもう後は作業するだけだ、となってスルスルと進んだりもするわけです。

このあたり、自覚はなかったけれど、やはり「ハードルの高い課題は寝るなどして無意識に任せている」ということが、自分だけでなく「文字原稿を書く人間の共通項である」という証拠なんじゃないかなぁと思ったわけです。

最近は、このこと自体をある程度頭にいれて、「無意識に委ねて寝かせる期間」を考慮して、作業スケジュールを立てた方が良いのかな?と考えるようになってきました。

とにかくまず「寝る」こと。これが大事なのかもしれませんね。

ということで今日のメルマガはここまで。
ではまた明日。


--------------[KID'S SIGNAL No.1376 -了- ]---------------


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