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タイピング練習ソフト「WEEK」は「削りの美学」の練習ソフトなんです。それであるエピソードを思い出しました。

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[KID'S SIGNAL] キッズシグナル●第1397号●2025年6月14日(土)
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読者さん、こんにちは。
本日は6月14日(土)です。本日2通目のメルマガ、本日分をお送りします。

毎日、ほんの少しでもタイピング練習ソフト「WEEK」の販売ページを読み返して問題点などを修正しているのですが、やはり「ローマ字入力だけでかな文字の練習はない」などの「短期間習得のための無駄な工程の削除」をメリットとして語る難しさに、なかなかに苦労しているわけです。

今日も、ああ、そうか、この部分を図版にして示せばわかりやすいかな? と考えて新たな図版を作っていたわけです。

さて、そういう中で、ふと昔しりあったイベント会社の現場監督的立場の方の行動が鮮烈に思い出されたんですね。その方の取った行動がなぜか、いまの僕の気持ちとすごく近くて、とても懐かしい気分になったんですよね。

それがどんな行動だったかと言うと、あるイベント会場でお会いした時に、パッとスタッフルームというか、備品をいろいろ置いてある棚の整理を始められたわけです。
それがもう実にはっきりした行動でして、棚の中にあった荷造り用のガムテープをパッと手に取ると、

「はい、これいらない」

と言って、手近な段ボール箱をゴミ箱にして、ガムテープをほおりこんでいくわけです。
それはそのイベント会社さんの「備品」なわけですけど、とにかくどんどんガムテープをゴミ箱に投げ入れていくんです。

でも良く見ていると、「あ、これはええわ」と捨てずに残しているガムテープもあって、「え? どういうこと?」と思って、よくよく観察すると、

●紙素材のガムテープは捨てて、布素材のガムテープは残している。

ということだったんですよ。
それに気づいたんで、「え? なんで紙ガムがダメで布ガムはいいんですか?」と聞いたら、

「紙ガムははがすのにすごく時間かかるんですよ。うまく剥がれなかったり、そもそも剥がすために端っこをめくるのも爪をたててガシガシやらなくちゃいけないでしょ? 展示会場を撤収する時とかに、そんなことに時間をかけてられないわけですよ。それこそ、その会場の設備であるパイプ椅子とかに何か留めるために使ったりしたら、えらい時間が取られてしまう。でも布ガムなら、そういう時もサッとはがせるわけ。だから、先に時間食いになる紙ガムは捨てておくのが一番なんですよ」

という返答でした。

なるほどぉ! プロやねぇ。

と、大変感心したわけです。

そりゃ撤収作業なんて、会場を出る時間が決まってるわけだから、うんと短縮したいに決まってます。
で、イベント会場なんて、アルバイトで回してたりしますから、ガムテープが必要になって、コンビニとかで現地調達せざるを得ないこともあるでしょう。
でも、その時に「布ガム」を買ってこいとまではなかなか指示はできないと思います。それなら紙ガムを先もって捨ててしまう、というのも現場を統括している立場の人間としては当然かもしれません。

そういう意味では、WEEKが、JISかなでの入力を一切サポートせず、それどころか「記号」や「数字」の練習機能すら搭載していないのも、この「紙ガム」と同じ発想なんですよね。

正直、記号やかななどは、日本語入力においてははっきり「ムダ」と断言できますので、練習課題から削除してしまう方が現実的だと考えているわけです。
たとえば、ローマ字入力は、ひとつの指が担当するキーの「移動数」は右毛の人差し指の「5方向」が最大なんですね。これはJの位置に右人差し指を置いて「Y,U,H,N,M」の5文字を打つために5方向に指を伸ばす、という課題です。

右人差し指以外の指の移動方向は、おおむね「上段のキーと下段のキー」の2方向しかありません。ものすごくシンプルですし、なにより「5方向」といろいろな角度で打ち分けないといけない指も右手の人差し指は、とても動かしやすい指なわけです。

ところが「JISかな」でブラインドタッチを学習しようとすると、いちばん担当するキーが多いのは「右小指」なんですね。ものすごく動かしにくい指です。
この動かしにくい指で打たないといけないキーは、かなだけで「わ、を、ほ、へ、せ、け、む、め、ろ」9方向もあり、その他にも濁音のテンテンや破裂音の丸も打つ必要があります。

これだけ打ちにくい右小指を駆使して練習をしなければならないのに、結果としては日本語を打つだけならローマ字入力でも一切問題はないわけですから、「JISかな」は最初から課題から外す、というのが正しい選択肢だと僕は思うわけです。

こういう事情があるから、「JISかな」は排除してるわけですけど、ここまで詳しく販売ページでは書けませんしね。うんうん唸りながら、ほんとうに必要な話から順に修正しながら書き進めている、ということなのであります。

ということで、今日のメルマガは「ムダを排するというのは、キチンと理由を説明するのは難しい」というお話でした。
ではでは、また明日、お会いしましょう。


--------------[KID'S SIGNAL No.1397 -了- ]---------------


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