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昨日は、日米で評価が大きく異なる映画を観てきました。何の映画で、評価差の理由はなんであるかを考えます。
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[KID'S SIGNAL] キッズシグナル●第1445号●2025年8月1日(金)
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読者さん、こんにちは。
昨日は朝から映画を観に出かけました。この娘の夏休みは、いろいろと用事が多くて個人的な時間がなかなか取れないので、「この時間帯だ!」ということででかけてきました。
映画はというと、ご多聞に漏れず、スーパーヒーロー物、マーベルシネマティックユニバースの「ファンタスティック4」であります。
で、この映画、実は本国アメリカでの評判はすこぶる良いのです。
代表的なのは、かの有名なロッテントマトでの評価で、批評家レビューが87%(100点満点の87点)、一般観客の評価が92%だったというもの。他の評価サイトでもおおむね好評なわけです。
で、この噂を聞いていたので、日本でも高評価になるんだろうな、と思ったら、あにはからんや、かなり「イマイチだった」という声が多いんですね。日本の映画評価サイトに何か所か登録してるので、そういう感想がけっこう流れてくるのです。
で、ほんとうに、かなりの数の「不満評価」が多かったわけです。
えー、なんでなのかなー? と思ったので不評の評価をいくつか読んでみたんですが「物足りない」「いまいち」という声は多いものの、具体的に「ここがダメ」というのはあまり見かけず、かなりフンワリした低評価なんですよね。
なので、この賛否両論の評価の原因がしりたかったので、昨日出かけてみてきたわけです。
で、映画の感想としては、僕の評価としてはかなーり高いのですよ。かなり面白かったし、内容的にも「これはウマイなぁ」というところがたくさんあったわけです。
で、先にこの「賛否両論」がなぜ起きたか?の原因を書いておきますが、理由は三つ
●長く続くシリーズなので、新規顧客獲得が重要になってきた。
●家族(子どもを守る)愛が主軸の映画だから。
●日本の映画入場料がものすごく高いから
なんですね。
まず、最初の「新規顧客開拓」の話ですが、長く続くシリーズなので、複数の別の映画のキャラクターが相互に登場しあう、というようなコラボがあったり、複数ヒーローが一堂に会して戦う、というようなパターンも多いわけです。
でも、それは初めて映画を観る人には何が何やら分からない、という不安を与えてしまうわけです。
で、この「ファンタスティック4」では登場人物は、主人公の4人と、それと敵対する敵側のキャラ2名だけに絞って描いているわけです。
ものすごくシンプルです。
でもこれが、複雑な人間関係などを前提にしたこんがらがった世界観を楽しんできた従来ファンには「薄味」に感じたんだろうな、というのはあるわけです。
でも、どうも、これが日米差の一番の大きな原因とは考えにくいわけです。アメリカでだって薄味と感じる人はいてるはずだからです。
で、僕は残り二つがかなり大きな理由になっていると思っているんですね。
まず残り二つのうちのひとつ「家族愛(子どもを守る)」が理由だ、という点。
これはストレートに「日本がものすごく少子化傾向だから」ということになります。
今回の「ファンタスティック4」は、とにかく主人公たちが、自分の子どもを守ろうとする話なわけです。とくに映画冒頭が主人公二人のリード・リチャーズと、スー・ストームの二人が
●やっと子宝に恵まれた
というところから始まるわけです。
そして、子供が生まれ、その子供が危険にさらされる、といった内容なわけです。
これ、すでに結婚して子供がいてるような人には、けっこう親近感を感じてもらえる話題なわけですが、独身の人や、結婚しても子供ができない、あるいは子供を作れるほどの経済的余裕がない、という人には全然響かないわけです。
「なんで子育てとかそういう話になっとんねん。わしは独身者じゃ」
ということにしかなりません。
で、日本は長引く不況で「結婚できない」「結婚しても子供までは作れない」という人がアメリカに比べると相当に多い、ということが影響してるんだろうなと思うわけです。
で、そこに加えて二番目の理由である
●日本の映画入場料がものすごく高いから
という理由が追い打ちをかけます。
単純に、日本はデフレのせいで、物価がアメリカに比べておおむね2分の1くらいなんですね。
この表を見てもらえばわかります。
https://www.japancorporate.com/wp-content/uploads/2024/06/2024.06-JP-US-ratio1_cost-living.jpg
いろいろな分野で、アメリカの方が2~3倍物価が高いのが分かると思います。
でも、話は、ここからなのです。
が、ちょっと長くなったので続きは明日。
ではでは、また。
--------------[KID'S SIGNAL No.1445 -了- ]---------------