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メモ・手帳本で、もっともらしい話だけど、疑わしいなという点をあばく、3つのポイントを紹介します。

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[KID'S SIGNAL] キッズシグナル●第842号●2023年12月3日(日)
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読者さん、こんにちは。
えー、僕はいろいろな情報を書籍で得るに際して、その情報が信用できるかどうか? に関して、いくつかの僕なりの判断基準を持っています。
(とくにノート・手帳などの情報整理分野の書籍の判定基準と考えてください。)

この判断基準は「絶対に正しい」というものではないんですけど、おおむね想定通りということはけっこう多いので、判定基準として長年継続して利用していて、けっこう役にたっている、ということです。

判定での例外がたくさん出てきたら、判定基準を修正しようとも思うのですが、いまのところ、以下の3つとも、ほぼほぼはずれなしだなぁと思っていて、継続的に判定基準として生き残っていますので、ちょっとご紹介したいと思います。


1.ひとつめは「方眼ノート」。

たとえば書籍を読んでいて、いくら「なるほど」と思っても、立ち止まって多少なりとも疑問を感じたら、「もっともらしい話だけど、よく考えたら根本的におかしい話」なんじゃないか? という内容はけっこうあります。

そういう話が出てきたら、著者の考え方や立ち位置を少し疑ってみて、書籍をパラパラとめくって、

●「方眼ノートを使っている」と公言して

いないかを確かめるんです。ノートや手帳に関する書籍であるとか、「書く」ことをテーマにした書籍だと、自分の道具環境を書く人は多いので、意外と公言していたりして、かなり参考になるんです。

で、もし「方眼ノート」を使っているという記述があったら、その人の話は、おおむね眉につばをつけて、疑いながら慎重に読むことにしています。

理由は、僕の「方眼ノート嫌い」をご存知の方はよく分かると思うのですが、方眼ノートって本当に不便だからです。とくに無地のノートと比較した場合に不便さが顕著になります。

以下の記事に無地のノートとの比較で「方眼ノートが不便」であるということを書いています。良かったら参考にしてみてください。「方眼ノートは表組を書くなど便利だ」という主張が、ほぼほぼ「都市伝説」のたぐいなのだと、はっきりと分かると思います。

●「無地のノート」には、多くの人が知らない「すごい秘密」が3つも存在している。知りたくないですか?
https://kidscomp.exblog.jp/30221823/

(最近この記事の参照数があがっていて、僕としては大変うれしいです)

毎日のように自分が使っている「ツール」の不便さにも気付けていない人に、仕事の仕方や情報の取り扱いの方法とかを説かれても、うーん、どうなんだろう? と、信用できなくなってしまうんですね。


2.ふたつめは「裏紙利用」。

「裏紙を使いましょう」みたいなことを言ってる人も多いですけど、こういう事を言ってる人がいたら、もう、速攻話を聞くのはやめましょう。
これを言う人は、本当にどうしようもないです。近づかない方がいいというくらいのレベルでしょう。

これは長々書きたいところですが、理屈はすぐに分かるので書きます。

●そもそも「裏紙」を発生させてはいけない

というのが本筋だからです。

「アイディアを出すのに、気軽に使える裏紙は最適だ」

とか言う人もいてますが、それは実は「PCで情報を読む方法」を知らなくて、いちいちプリントアウトして読んでるという基礎スキルのない人だったりするわけです。

そりゃプリントアウトしないと読めない程度のPCスキルだと山盛り不要な用紙が発生しますわね。

こういう人は、そもそもキーボード上にある「Roll UP(PgUp)」「Roll Down(PgDn)」キーでのページめくり操作すら理解してない、ということが多いわけです。

文章を読むときには前に戻って読んだり、先に進んで前もって結論部分を確認してから読んだりする必要がありますから、ページ送り操作はすごく重要です。
ロールアップキー、ロールダウンキーなら、一回押せば一画面(設定によっては半画面)ページめくりをしてくれますから、数回押すだけでプリントアウトを何枚かめくるのと同じ操作ができます。

この超基本操作を知らない人が、けっこうプリントアウトして読む、ということをやってるわけです。

いや、そらあかんで。ということですね。

こういう人は、Wordの「目次や見出しの一覧から該当個所にジャンプする機能」の使い方すら知らない可能性が高いわけです。つまり技術的に未発達な人ということです。

パソコン上で2秒で済むことを、プリントアウト操作の手間をかけて、紙資源を無駄にしながらやっていて、そしてしかも、それが超無駄な行為であるという事自体を自覚していないまま、他の人に勧めて悪癖を拡大している、というかなーり問題な人でしょう。

こういう人に限って「ミスコピー用紙など、裏紙が大量に出るのはもったいない。地球環境のためにも、アイディア出しには裏紙を使いましょう」とか平気で言ったりしてるんです。

いや、地球環境の事を考えるなら、まずミスコピーをしないこと(プリント設定の仕方を学ぶこと)、下読みするためだけにプリントアウトするのをやめること(パソコンの「読むための操作」を習得すること)、の方が絶対的に正しいのですから、完全に本筋を読み誤っています。

こういう人の話は聞かない方がいいというのはご理解いただけると思います。


3.3つめは、「ノートの実例を写真で紹介していない」です。

ノートや手帳に関する書籍で良い本かどうかを見分ける方法として、僕が長年判定基準にしているのがこれ。
これも、まぁ7割から8割の確率でよく当たります。

ノート・手帳の使い方は、やっぱり「実例」がないとわかりにくいんですね。
だから、これは本物の手帳などを実際に見せてくれないと、その本に書かれているノウハウが、なかなか分かりづらいんです。

ただ、これはかなりハードルの高い判定基準なので、あまり目くじら立ててまでは主張してません。
自分が使ってるノートをそのまま紹介できればいちばん良いわけですがクライアント名などは伏せないといけないですし、そうなるとモザイク処理をしないといけない、そうなると全面モザイクに近い状態になる、とかも普通にあり得ますからねぇ。

なので、とにかく「本物の実例写真」を掲載しているメモ・手帳関連書籍なら、かなりの名著であると判定しても良い可能性が高くなるでしょう。この判定基準は、書店での書籍購入の判定には使えると思います。

ただ、バレットジャーナル関連本で、超キレイに飾りたてている手書きページの「美しさ」を、中心・主役にして、カラーページで紹介してるような本は、基本的に例外です。

基本的に見た目の面白さをアピールしてるだけで、まぁ「ダメ」本であることは多いですね。

あれは本質を勘違いしている場合がかなり多いんです。情報の取り扱い方を紹介してるんじゃなくて、メモ・手帳をつける楽しさ「だけ」を紹介してるんです。それ「だけ」だと、本当にダメだと思う。

これは僕がバレットジャーナル本の紹介で、いつも苦労する点です。あまり良い定番本というのがないんですよねぇ。
(たぶん美しい手書きページの写真を載せると売れやすいんだと思います。ムック形式の本とかはカラフルでないと売れないでしょうから)

ということで、上記3点は、書店での書籍購入の判定にはけっこ使えると思いますので、頭の片隅にいれておいていただくとうれしいです。

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ということで、僕の書籍の内容評価の、ちょっと変わった判定基準を紹介しました。
メモ・手帳関連の書籍って、「もっともらしく聞こえるけど、冷静に考えると机上の論理でしかない」という話も多いんです。なので、この3つの判定基準は、良い本を見つけるのにけっこう役立つと思います。
いちど書店などで確認してみてください。

今日のメルマガはここまで。
では、また明日。


--------------[KID'S SIGNAL No.841 -了-]---------------


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