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すごく面白い名前の農産物直売所に、大きな変化があったのです。
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[KID'S SIGNAL] キッズシグナル●第874号●2024年1月6日(土)
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読者さん、こんにちは。
今日は少し用事があって車で40分ほどの奈良の街まで移動してきました。
その移動の道すがら、面白い無人販売所があるのです。
この販売所がなかなかに面白くて、いつも通るたびに、ついつい目で見てしまうのです。
というのは、普通の無料販売所と言えば、手作りの野菜などが無造作に置かれていて、料金を入れるカゴや箱があるだけ、と言うのがほとんどだと思うのです。
でもこの販売所は、珍しく、手書きではあるものの、お店の名前を看板として掲げているのです。
しかも、その名前がなんと「老婆の休日」というもので、車でその場を通り過ぎるたびに、つい目をやってクスリと笑ってしまうのです。
どんなオードリー・ヘップバーンがいるのか、一度はお邪魔してみたいと思っておりました。
が、今日通り過ぎた時にチラリと見ると、前は手書きだったお店の看板は、大きな「老婆の休日」と書かれた幟(のぼり)に目を奪われ確認する事ができなかったのです。
「えー!のぼり作ったんや!」
とビックリしてしまいました。
多分、「老婆の休日」と言う名前がいろんなところで話題になって、多くのお客さんが来られたのではないか? と、思われます。
なので、この名前の力を最大限に生かすために、わざわざ高いお金を出してまで、この「のぼり」を立てるということをされたのだと思います。
僕はここに、ネーミングの力と言う広告業界特有のスーパーパワーを見る思いがするのです。
言うのは、商品を印象づける大変強力な手段です。
一瞬で商品を覚えてもらい、なおかつ商品特徴がはっきりと分かり、なおかついちど見てみようと言うアテンションまで引き起こすことが可能になります。
実は、このアテンション(興味をひかせる)ことが出来れば、その後の購買など、次のアクションに向かわせるのが、かなり簡単になるのです。
本来は、このステップの越え方自体が大変難しいものなのです。
まず「見てみよう」と、興味を持っていただけるまでが広告における大きな山、「障害」だと言えるでしょう。
ちょっと皆さん思い出していただきたいのですが、ネットやスマホで無料サービスなどを利用している時に、快適にサービスを利用している、その最中に、広告が出て辟易された事があるのではないでしょうか?
「あー、また広告が出ちゃったよ」
と、ついつい不機嫌になったりします。
こういう事例を思い出しても分かるように、多くの場合広告は、
「邪魔なもの」
と認識されていて、見ることすらされず、避けられる続ける、と言うことが多いのです。
しかし、この「老婆の休日」の場合は、
その名前を見ただけで、
おそらくはおばあさんが営業しているのだろうし、休日と言う言葉から、それほど多くの人がやって来る店でもないのだろうと言う事まで想像がついてしまいます。
ここが、このネーミングの面白いところ。いわば商品特性まで一瞬にして伝わる、うまいネーミングだとおもいます。半端ない破壊力ではないでしょうか。
こういう、上手くハマった名前があると、「どんなお店なのだろう?」だとか、「ちょっと覗いてみようかな」と言うようなことまでイメージするのではないでしょうか。
広告において、「邪魔なもの」と思われる反応と、「ちょっと覗いてみようかな」という反応が引き出されるのでは全く逆方向。ベクトルが正反対というとんでもない反応ということになります。
こういう大きな反応を生み出せることが、僕が広告をなりわいとしてやってきた一番の理由ではないか? と、最近ではよく思うのです。
と言うのはこの天と地ほどの差が自分のアイディア1つで生まれ得るというところあります。
●ほんの小さなアイディア1つで結果が大きく変わる。
この「てこの原理」のような出来事というのが僕は大好きなのです。
ブラインドタッチのソフトをつくったりしているのも、同じような理由だと思います。ブラインドタッチができるかできないかで、パソコン活用の利便性は全く別物になってしまう。そういう「てこの原理」が働くんですね。
この、お店の名前、「ネーミング」や、製品特性を一言で表す「キャッチフレーズ」にしても、広告の手法にそういう「てこの原理」はたくさん眠っています。小さなアイディアが、大きな結果を導き出すそういう面白さを、僕はずっと考えていきたいと思っています。
ということで、今日のメルマガはここまで。
では、また明日。
--------------[KID'S SIGNAL No.874 -了-]---------------