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昔ながらの、ソフトの「キー割り付け」について、ちょっとお話してみたいと思います。
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[KID'S SIGNAL] キッズシグナル●第904号●2024年2月5日(月)
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読者さん、こんにちは。
今日もパソコンの環境復活に手間を取られております。
このメルマガを書いているのは、WZ Editor という、プログラムのソースや、文章を書くための、専門のソフトなんですね。
で、そのソフトを、壊れたパソコンではちょこちょこ自分なりにカスタマイズして使っていたのですが、その自分でカスタマイズしていた設定ファイルは DropBox 上には置いてなかったんです。
なので、「自分なりに書きやすい環境」というものが少し毀損されてしまいまして、昨日も今日もちょっと手間を感じながら、このメルマガを書いていたりします。
で、その執筆環境を復活させるべく、カスタマイズ作業を少しずつやっているのです。
実際、こうして文章を書いている途中で、「いつものクセ」で指を動かしたときに、思い通りの機能が実行されず、全然別の動きになって
「うおおおっと」
とつんのめりそうになるわけです。
でも、その「つんのめり」があるから、「おお、そうだった、このキーの操作にこの機能を割り当てていたんだよな」と思い出せるわけです。
そのキー割り付け、いくつかをメモ用紙にメモして、後でまとめてカスタマイズファイルに機能設定を記述していくわけであります。
そういう「キー割り付け」の中でも、「つんのめり」なしに、真っ先に設定しなおした機能がひとつありまして、それが、
●ダイアモンドカーソル
というものです。
ダイアモンドカーソル、というのは、パソコンでよく使う「カーソルキー」を、アルファベットが並ぶ文字キー部分に無理やり割り当てる技法のことでして、古くはパソコンが登場するより前、大型コンピューターを複数人で共有するメインフレームやミニコンの時代に、カーソル移動の手段として活用されていたキー割り付けです。
そもそも当時のコンピュータには、文字キーしかなく、「カーソルキー」と呼ばれる専用キー自体が存在していませんでした。
なので、「機能キー」である「Ctrl」キーを押しながら、「E,S,D,X」を押すことで、現在の「カーソルキー」と同じ機能を実現させていたんですね。
そして、この特殊なカーソル操作をする機能のことを「ダイアモンドカーソル」と呼ぶようになったのです。
キーボードを見ていただければ分かると思いますが、キーボード上での「E,S,D,X」の配置を見ると、
ひし形を縦方向に立てた形で、まさにトランプの「ダイア」のように見えます。おそらくは、この形の独自性から「ダイアモンドカーソル」という名前がついたのだろうと思われます。
この「ダイアモンドカーソル」は、ブラインドタッチができる人間には、とても重宝するキー活用法なんですね。
カーソルキーというものは、文字の並んでいる文字キー部分とは離れて存在していることがほとんどですから、カーソルを移動させるために指を文字キーから離してしまうことになります。
ブラインドタッチというものは、ホームポジションというキーボードの特定位置からの各キーの「位置」を覚えるものなので、一度ホームポジションから指を離してしまうと、元の位置に指を戻すために、またキーボードを見直してホームポジションに指位置を戻す必要が出てしまいます。
カーソルキーの移動は頻繁に行う事が多いですから、カーソル移動をするたびにキーボードの位置を見直す動作が入ってしまうことになって、ブラインドタッチの効果が半減してしまうんです。
その点、ダイアモンドカーソルなら、Ctrlキーさえ小指などで押さえることができれば、残りの指は全部ホームポジションに残しておくことができるわけです。
とにかく、まず最初に、この操作ができるようにしておかないと文章を書くにしても操作が面倒でやってられなくなってしまいます。
ダイアモンドカーソルの配列は、「カーソルキー」以前から存在していて、しかもブラインドタッチができる人には大きな利便性があったので、「カーソルキー」登場以降も、さまざまなライティング用のソフトで流用されることになりました。
かくいう僕も、このカーソルキーのない編集環境では、原稿が書きにくくてしょうがありません。たかがキーボードのキー割り付けではありますが、長い歴史の中で一定の位置を確保していて、現在でもわずかながらに利用者が残っているというのは、それなりに理由がある、ということなのですね。
ということで、今日のメルマガはここまで。
ではまた明日。
--------------[KID'S SIGNAL No.904 -了-]---------------