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日本は世界の方々から見ても、かなり「スゴイ」国らしいのです。でも、それって本当のことなんでしょうか? 疑う価値のあることだと思います。

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[KID'S SIGNAL] キッズシグナル●第919号●2024年2月20日(火)
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読者さん、こんにちは。
今日は、午前中に用事がありまして、発行時間が少し遅れてしまいました。

で、何を書こうかな? と考えていたのですが、最近気になっている、

●日本と外国の考え方の違い

ということについて、ちょっと考えてみたいと思います。

実は Youtube には、「日本は素晴らしい」というような内容の動画がけっこうたくさん流れています。

そういう動画は、いたずらに自国への自負心ばかりを増幅して、現実にある日本固有の問題の直視を避けさせてしまう可能性があるので、本当はあまり好きなタイプの動画ではないんですね。

●欠点を直視する

という態度を忘れたら人間に成長なんかなくなりますから。

とは言うものの、海外から日本に旅行に来た方たちの意見を聞くと、本当に日本は「異次元の存在」と感じるらしいのですね。
そして、その「驚き」の理由・原因は、それこそアメリカだろうがカナダだろうが、ヨーロッパのフランスやイギリスであろうが、スイスやスウェーデン、あるいは中東の国々であろうが、とにかく国を超えて共通、同じなんです。

具体的には

●街がきれい(ゴミがおちていない)
●人が親切(困っていたら見知らぬ人が助けてくれた)
●交通網がおそろしく正確で整っている。

という3点くらいは、必ず口にされるほど共通しています。

この中でも、逆にこちらが「へぇ~、そうなんだ」と感心するのが、実は、交通網の充実、とくに「発着時間の正確さ」に関する意見なんですね。

海外では、どの国でも交通機関は時刻表通りに走ることはマレであるようなのですね。
日本人にとっては、時刻表に書かれてある時間に遅れて発車することは、そうそうあることではないわけです。
でもアメリカであろうがイギリスであろうが、とにかく電車などの公共交通機関が充実している国の人たちのあいだでは、5分や10分程度の遅れは「遅れている」うちに入らず、数十分~1時間以上遅れるようなできごとがあってはじめて「遅れた」と考えられるようなのです。

だから3時58分発車と、時刻表や切符に書かれていて、その3時58分に時間通りに電車が発車する日本の交通機関のありかたは、「異次元だ」「とんでもない」「信じられない」と、驚愕の出来事と受け取られがちなわけです。

その驚きようたるや、どこの国の方であろうが「この世のものではないものを見た」ような衝撃を受けていることが多いのです。

なので、「日本はほかの国とは違う」「異次元の存在だ」「考え方が根本から異なっているのだろう」「日本人にしか成しえない特殊な出来事だ」というような「我々の国とは異なる考え方の上に日本人は立っている」という意見になるようなのです。

まぁ確かにそういう側面はあるにはあるとは思います。
しかし、実は、僕は電車の発車時間に関して「ある事実」というか「ある考え方」を聞いたことがあるので、この日本を異次元の国のように考える考え方は、少し違うかな? という気にはなっているんです。

というのは、日本の電車の発車時刻というのは、決して「時刻表どうり」に運用されているわけではないからです。

極端な言い方をしてしまえば、

●日本の電車も、予定よりいつも遅れまくっている。

ということすら言えるんですね。

「え? 電車が遅れまくっている? どういうこと?」

と思われましたか?
そうなんです。実は日本の電車も海外と同じように発車時刻は遅れまくりなんですよ。

じつはこれ、日本の列車は「1分以内ならいつ発車しても良い」というルールの上で運用されているからなんですね。

だから、3時58分発の電車があったとして、その列車が実際に発車しているのは、3時58分00秒ではなく、3時58分15秒であったり、3時58分10秒であったり、3時58分55秒であったりと、かなりアロアンスのある運用がなされているのです。

ですから、この意味では、欧米の5分10分遅れても「予定通りに動いている」と見なす文化と、さほど考え方が異なっているわけではないわけです。

必要とするアロアンス=許容範囲を持たせてある、という意味ではまったく同じとさえ言えるわけです。
欧米の人から見ればデジタル時計や駅のアナログ時計の表記時間や分針が、ぴったり3時58分になっているから「驚愕」してしまうわけですし、あまりの正確さに「ロボット並みの正確さだ。日本人はすごい。異次元だ」と感じてしまうわけですが、でも実は欧米の公共交通機関の運用の考え方と、それほど大きな差があるわけではないわけです。

この「異次元の差」というものを「文化の差だ」とか「異国の考え方だからうちの国では無理だ」というようなとらえ方をしてしまうと、世の中のかなりの出来事が、

●優れている人はもともと才能があるからできたのだ。私には才能がないから実現できない。

という考え方で「無理」な課題というとらえられ方になってしまいます。
それはちょっとおかしいのではないか? と思うんですね。

●すごいことをしている人がいる

ということを知ったら、

●ということは、それは私にもできるかもしれない

と考えるようにした方が、何事であれ、より良い結果につながっていくだろうと、僕は思います。

「すごい人」と「普通のわたし」の間の距離は、意外に近いのかもしれない、と思うわけです。

この考え方は、かなり重要だと僕は思っていますので、もしよかったら、あなたもこういう考え方をされてみてはいかがでしょうか?
けっこう生きていくのがお気楽になっていくように思います。

「ま、やりゃーできるさ、あれくらい」

と、能天気に考える方が人生幸せなんじゃないの? という話でしかないんですけどね。

ということで、今日のメルマガはここまで。
ではまた明日。


--------------[KID'S SIGNAL No.918 -了-]---------------


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