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書店で「紙の手帳は記憶に残る」というポスターを見かけました。日本でも、正しい情報整理の手法が、やっと確立してきています。
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[KID'S SIGNAL] キッズシグナル●第961号●2024年4月2日(火)
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読者さん、こんにちは。
先日、書店に出かけて、何か面白い本はないかと漁っていたのです。
で、ついでにちょっと手帳のコーナーとかものぞいたりしてたんですね。
すると、その手帳コーナーにポスターが貼ってあって、
●記憶に残る
というキーワードがでかでかと出ていたわけです。
「ん? なんだ?」
と気になったので見てみると、こんなことが書いてあるポスターでした。
(ポスター内容転記開始)------------------------------------
手帳を使う理由 [第1位]
対象:スケジュール管理、To do管理、日々の記録、アイディア整理、お金の記帳や管理、将来的な自分の夢やビジョンをかなえるために手帳を使っている人、複数回答、n=6,720、
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記憶に残る!
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●手帳を使う理由を聞きました
1位 37.4% 書くと記憶に残りやすいから
2位 33.0% 使い続けている 慣れ親しんでいる
3位 30.3% 紙に書くと安心するから
4位 30.0% 書くと情報や考えを整理できるから
5位 29.9% 過去の振り返りがしやすいから
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[科学的にも]実証されています
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株式会社日本能率協会マネジメントセンター
株式会社NTTデータ経営研究所
東京大学大学院 酒井研究室の共同実験でも明らかに!
詳しくはこちら→QRコード(https://www.jmam.co.jp/topics/1266108_1893.html?utm_source=202404&utm_medium=pop&utm_campaign=poster)
時間を、デザインする。NOLTY(ノルティ)
(ポスター内容転記終了)------------------------------------
ということで、ポスターを掲げていたのは、手帳販売のトップ企業、能率協会さんだったようです。
NOLTY(ノルティ)は、その手帳ブランドですから。
リンク先の情報は、ちょっと古くて3年前の研究結果の発表でした。
●紙の手帳の脳科学的効用について ~使用するメディアによって記憶力や脳活動に差~
https://www.jmam.co.jp/topics/1266108_1893.html
詳しい研究内容の情報がこちら
https://www.c.u-tokyo.ac.jp/info/news/topics/files/20210319sakaikunisobun01.pdf
単なる記帳実験だけでなく、MRIを使って脳機能のどの部位が活性化していたかまでを調べているところが、なかなか説得力がありますね。
まぁ査読なと、どの程度検証されていて確度の高い研究なのかはちょっと分からないですけど、実感としてさもありなんという内容でした。
簡単にまとめると、
紙の手帳、タブレットへの手書き(手帳と同サイズに限定)、スマホの3つのツールで、スケジュールなど手帳でよく使われる項目の記帳と内容記憶のテストをしたと。
その結果、記帳の時間は紙の手帳がもっとも早く、内容記憶のテストでも成果が高かった、というもののようです。
この研究では、脳の視覚野の活動もチェックしていて、手書きの場合は視覚野の活動も活発になるため、記憶に残りやすいとしています。
(キチンと引用しないといけないのですが、ちょっと時間がないので)
紙の手帳は、書き込んだ位置などが固定されており、それらの関係を把握しやすく記憶しやすく思い出しやすいと。
逆にタブレットでは、位置関係がつねに変動していて記憶に残りにくいとしています。
この実験ではフォーマットの決まっている(ブロックタイプのマンスリー)にスケジュールを記帳させているようですので、そういうフォームに情報を書き込むメリットを強調したいのでしょうね。
ともあれ、前にも紹介しましたが、2014年に海外で行われた以下の実験結果ともとても似た内容になっています。
●なぜ、手書きのメモはノートPCに勝るのか
https://dhbr.diamond.jp/articles/-/3576
英語論文
https://bpb-us-w2.wpmucdn.com/sites.udel.edu/dist/6/132/files/2010/11/Psychological-Science-2014-Mueller-0956797614524581-1u0h0yu.pdf
やはり、記憶に残すためにはスマホなどより紙の手帳で記録を取る方が優位性があるということです。
このあたりは、僕自身、何度もデジタルとアナログを行ったり来たりを繰り返してきたので、いまやハッキリと「記憶に残すためにはデジタルはダメ」と断言できます。
使い分けなんですよね。
どう使い分けるか? については今後もやっていく予定ですが、このメルマガのように複数の方に一度に情報を提供するとかするなら、デジタルが良いでしょうしね。グループでのスケジュール共有にもデジタルが効果的だとは思う。
ということで、今日は「紙とデジタルの使い分け」に関しては、けっこう重要な情報をシェアした内容になりました。
大事な情報だと思うので、みなさんも記憶にとどめておいてくださいね。(紙にメモりましょう!)
ではでは、また明日。
--------------[KID'S SIGNAL No.961 -了-]---------------