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昨日、「議員報酬の削減」なんかしちゃダメだ、理由は二つある、と言ったのにひとつしか理由を書いてませんでした。残りのひとつを書きます。

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[KID'S SIGNAL] キッズシグナル●第999号●2024年5月10日(金)
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読者さん、こんにちは。
昨日、うちの地域の市長選・市議選で「主張そのものが間違っている」という話を書きました。
いくつか間違いを指摘しましたが、「議員報酬の削減」をやったらダメな理由が二つあると言いながら、片方しか書いてませんでした。

昨日書いたのは「議員報酬は地域経済への間接的な補助金だから減らしちゃダメ」という話でした。
そうでしょ? そう思いません? 良く考えればそうにしかならないんですよ。なんで地域への補助金を住民の側から拒否せなアカンねん、という話です。

で、昨日書き損ねた、もうひとつの理由というのは、

●公的機関の職員給与は、地域経済の安定装置(スタビライザー)になる。

からです。

これもごくごく当たり前のことです。

公的機関で「節約」とか「削減」とかが「普通」になると、地域全体にそういう傾向が強くなるわけです。
もともと公的機関というものは、その存在によって民間の市況に影響を与えてはいけない存在なわけです。

だからつねに公的機関で資材購入などをする場合は、「定価」とか「正価」で買わないといけません。
それこそが公的機関の役割だからです。

なので、資材購入に「節約」を振り回して、「安い資材を調達し、改革の財源としました」なんてことは絶対にやってはならないわけです。
公的機関でこういうことをするのは致命的に間違いです。

当然、正価でないという意味では、逆に「無駄遣いをする」とか「不必要な増額」とかもダメです。どちらも同じくらいダメなわけです。
いまは、世の中全体がデフレ傾向にあるのだから、すべての公的な出費は「標準の少し上」くらいが適当だ、と言えます。
公的機関が経済のスタビライザー(安定装置)の役割を担っているのだから、まず公的機関が求められることをやらなくてはダメなわけです。

ところが、日本人は、

●節約は美徳

という価値観を持っているので、議員になろうとしている人が「予算を節約します」だの「議員報酬を削減します」だのと叫ぶと「おー、ええこと言うやん、がんばれ」と間違った事を言ってるのに賞賛されたりするんですね。

もう、本当におかしな話だと思います。

日本はこの30年間、経済成長が見られず、デフレの波の飲み込まれてあがき苦しんでいるのですが、その原因のひとつが、この「節約の美徳はすばらしい」という国民感情です。実際、

●みんなが不況で苦しんでるんだから、役所も節約しろよ。

という発想になってる人がどれだけ多いことか。
でも、それ間違いですから。

世の中全体が「低価格」「低価格」とデフレ方向に進み始めたら、国や地方自治体は「ほんのちょっぴり高価格」にして、シュリンクしそうな経済を逆向きに拡大方向に押しやらないとダメなわけです。

これもねぇ、「公的機関の役割」としてはごくごく当たり前のことなんですけどねぇ。
なんかもう、みんな金科玉条のごとく「節約は美徳!」ばっかりやっきになってやろうとしてる。

アカンって。ほんまに。

えーと、こういう話をしてるといろいろと腹が立ってきて、しっちゃかめっちゃかになりかねないので、今日は「本来のあるべき姿」の話をするだけにとどめますね。

●公的機関というものは経済の暴走(インフレもデフレもどちらも)をとどめる役割も担っているのだ

くらいのことで意識しておいていただければと思います。

ということで、今日のメルマガはここまで。
ではまた明日。


--------------[KID'S SIGNAL No.999 -了-]---------------


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